2015年9月25日

日本茶産地紹介「川根」編

今回は、静岡県の川根茶についてお話ししましょう。

作られている場所は、静岡県榛原郡川根本町から島田市川根町にかけての地域。大井川上流域で南アルプス山脈の南端になり、山深い所です。皆さんには、SLが走る「大井川鉄道」が通っている地域、と言うほうが分かりやすいかもしれませんね。

写真:川根の茶畑の風景

写真:川根の茶畑の風景

当Webサイトのお勧め記事「連載:美味しいお茶を淹れる」の中に、福岡八女から高知・京都府宇治・静岡県川根・本山とベルト状に、古くからの有名産地が並んでいます。

これら産地の共通点は、古い地層、山深く、川が流れており、川霧がたち、水はけが良いことです。川のおかげで肥沃な土地になり、水はけが良く、山間部で日照時間が短く、川霧が日当たりを柔らかくして、お茶作りに適した土地と書かれています。

川根茶は、ふくよかな香りの「普通蒸し煎茶」が多く作られている事が特色です。

ここで、「普通蒸し煎茶」と「深蒸し煎茶」の違いについてご説明しておきましょう。

日本茶はお茶の葉を蒸して作るのですが、30〜40秒ぐらい蒸すのが「普通蒸し煎茶」です。

それとは違い、日照時間が長く、苦み・渋みが強いお茶になりやすい平坦地・丘陵地でも美味しいお茶が作れるよう、お茶を蒸す時間を60〜120秒にした「深蒸し煎茶」の研究が進みました。

この「深蒸し煎茶」の生産量が増えたために、通常時間で蒸したお煎茶を「普通蒸し煎茶」、60〜120秒蒸したお煎茶を「深むし煎茶」と呼び分けているのです。

川根茶の特色は、古くからの山間部の産地で作られた「普通蒸し煎茶」! これが一番シンプルな説明でしょう。

下記の写真をご覧ください。左側が、川根茶の「普通蒸し煎茶」。右側が、掛川茶の「深蒸し煎茶」で、どちらも同じグラム数、浸出時間で淹れてあります。水色(浸出されたお茶の色)が違うのがお分かりいただけるでしょうか。

写真:普通蒸し煎茶と深蒸し煎茶の水色の違い

このように、「普通蒸し煎茶」と「深蒸し煎茶」では美味しい水色とされる色が違い、深蒸し煎茶は「明るい緑色」、普通蒸し煎茶は「透明感のある金色」と言われています。

皆さんも、秋の夜長に、普通蒸し煎茶(川根茶・本山茶・宇治茶等)と、深蒸し茶(掛川茶・島田茶等)を飲み比べてみてはいかがでしょうか。

この写真が、普通蒸し煎茶(川根茶)。

写真:普通蒸し煎茶の茶葉

そして、こちらの写真が、深蒸し煎茶(掛川茶)です。茶葉の細かさなどの違いをチェックしてみてください。

写真:深蒸し煎茶の茶葉

これまでの日本茶産地紹介記事は、こちらから。

食育

先生必見!日本茶で食育授業

先生必見!日本茶で食育授業

オススメ

動画で学ぼう!「日本茶の美味しい淹れ方」

動画で学ぼう!「日本茶の美味しい淹れ方」

組合認定店を「名前で探す」

組合認定店を「名前で探す」

組合認定店を「地域で探す」

組合認定店を「地域で探す」

組合認定店を「最寄り駅で探す」

組合認定店を「最寄り駅で探す」

美味しいお茶の淹れ方

美味しいお茶の淹れ方

お茶を使ったレシピ

お茶を使ったレシピ

食育への取り組み

食育への取り組み

お茶の保存方法

お茶の保存方法

お茶のトリビア/コラム

お茶のトリビア/コラム

メディア掲載

メディア掲載

私たちはお茶のプロです

私たちはお茶のプロです

茶器と急須

陶製急須のトリビアあれこれ

イベント情報

イベント情報

その他

その他