今日は、皆さんが知っているようで知らない「日本茶の作り方」を、お話しましょう。
皆さんの代わりにお茶の「工場見学」に行ってまいりまして、写真も沢山撮ってきました。
製茶ラインの種類
今回見学したお茶工場には、2つの製茶ラインがありました。60Kラインと35Kラインです。Kは、kg(キログラム)を意味しています。
普段は60Kラインを使用し、35Kラインの方は、「品評会に出品するお茶」「上級茶」などの少量生産をするときに使用するそうです。
茶葉を蒸す
お茶摘み(摘採)されたお茶の葉は、新鮮さを保つために、できるだけ早く蒸します。写真は「送帯式蒸し機(そうたいしきむしき)」です。蒸気が出ている中を、ベルトに乗ったお茶の葉が通り、お茶の葉が蒸されます。
ベルトのスピードを調整すると、普通蒸し茶(蒸し時間は30〜40秒)から深蒸し茶(蒸し時間は60〜120秒)まで作れます。この時、工場内は湿気と「甘い香り」に包まれます。
こちらは「回胴式蒸し機」です。お茶の葉が筒の中を蒸気にあたりながら、回転して蒸されます。
粗揉(そじゅう)
蒸したお茶の葉は冷却された後、次の工程「粗揉(そじゅう)に入ります。蒸した葉を熱風をあてながら揉んで、水分を3分の2ぐらいに減らします。
写真は粗揉機の中です。「鎌」のような器具が回転しているのがわかりますか。
揉捻(じゅうねん)
粗揉が終わったお茶の葉は、揉捻(じゅうねん)工程につづきます。葉に力を加え(機械の中にオモリが入っています)水分が飛びにくい「茎」からも水分をとり、水分の均一化をおこないます。揉捻工程だけは、唯一熱を加えません。
中揉
お茶の葉に再び熱風をあてながら、細かく撚り(より)ます。この工程を中揉と呼びます。
精揉(せいじゅう)
もう少しで完成です! 葉がまっすぐになるように、熱を加えて乾燥させながら揉みます。精揉(せいじゅう)工程と呼ばれています。ここまで進みますと、見た目はもう出来上がったようです。
最後の工程があります。お茶の葉の水分を5%ぐらいまでになるように、熱風で乾燥させます。粗揉から精揉、乾燥工程までは、工場内にはお茶の香りと、微かに香ばしい香りが漂います。
乾燥工程が終了したお茶を「荒茶」とよんでいます。葉の長さや大きさ形が不揃いな状態です。
さらに長期保存が出来るように水分を3%くらいに乾燥させないといけません。この作業を行うと、美味しいお茶になります。この作業を「お茶の仕上げ」と呼んでいますが、今日のお話はここまで。来月以降、仕上げ工程の説明も公開しますので、どうぞお楽しみに!
取材ご協力のお礼
最後になりましたが、今回の記事を制作するにあたり、埼玉県狭山市 有限会社 東阜横田園さま、日本茶インストラクター協会 埼玉県支部の皆様のご協力をいただきました。ありがとうございました!