抹茶と聞いて思い浮かぶのは、茶道、静けさ、そして一服の豊かさ。お茶好きの皆さんなら、あの深い緑と芳醇な香りに、心がすっと整う感覚を知っていることでしょう。
本記事では、そんな抹茶の魅力を歴史・味わい・文化の視点からご紹介します。
抹茶のはじまり——禅とともに伝来した静寂の一杯
抹茶の歴史は、鎌倉時代にさかのぼります。栄西禅師が中国から茶の種を持ち帰り、日本に広めたのが始まりです。禅の修行とともに発展した抹茶文化は、やがて千利休によって「侘び茶」という独自の美意識をまとい、芸術の域へと昇華しました。
味わいの奥行き——旨味と苦味の絶妙なバランス
抹茶の魅力は、その複雑で奥行きのある味にあります。良質な抹茶は、旨味、甘味、苦味、渋味のバランスがとれており、一口ごとに違った表情を見せてくれます。薄茶でまろやかに、濃茶で重厚に——点て方でも世界が変わるのが抹茶の面白さです。
一服の贅沢——日常に茶室の静けさを
茶室に足を運ばなくても、抹茶を点てることで心を整える時間を持つことができます。お気に入りの茶碗に抹茶を入れ、茶筅で点てるその所作は、まさに「自分と向き合うひととき」。日々の忙しさのなかに、ぜひ一服の贅沢を取り入れてみてください。
抹茶は「知れば知るほど美味しくなる」
お茶好きならではの探究心で、産地の違いや挽き方の違いに注目してみるのも楽しいものです。宇治、八女、西尾——それぞれの地が育んだ風味は、まさにテロワールの世界。「味わう」だけでなく「知る」ことが、抹茶をより深く楽しむ鍵になるでしょう。
おうちで楽しむ抹茶の甘味——抹茶蜜のかき氷レシピ
これからの暑い季節には、ひんやりとした抹茶蜜のかき氷がおすすめです。
抹茶好きにはたまらない、香り豊かで大人の甘さの一品をご紹介します。
材料(2〜3人分)
- 抹茶:小さじ2(お安いものでもOK)
- お湯(80℃前後):大さじ2
- 砂糖:大さじ3〜4(甘さはお好みで)
- 水:100ml
- 氷:適量(家庭用製氷機の氷でOK)
- お好みで:白玉、あんこ、練乳、バニラアイスなど
作り方
小さめのボウルに抹茶を入れ、お湯(大さじ2)を注いでよく溶かします(ダマにならないよう茶こしでふるっておくと◎)。
小鍋に水と砂糖を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火を止めます。
溶かした抹茶をシロップに加え、よく混ぜて完成!
氷を削り、器に盛って抹茶蜜をたっぷりかけます。
お好みで白玉やあんこを添えれば、本格的な和風かき氷に!
抹茶の香りとほろ苦さが活きた自家製蜜は、まさに“大人のかき氷”。
市販のシロップにはない繊細な風味を楽しめます。
抹茶蜜をもっと簡単に!
市販のグリーンティー(加糖抹茶)を使えば、お湯で溶かすだけ!
※グリーンティー(加糖抹茶)とは主にグラニュー糖と抹茶を混ぜたもので、水またはミルクなどで溶かして飲む抹茶飲料です。
材料(2〜3人分)
- グリーンティー(加糖抹茶):100g
- お湯(80℃前後):80ml
作り方
グリーンティー(加糖抹茶)にお湯を少量ずつ注ぎ、ダマにならないようによく溶かす。
※甘さが足りない時はガムシロップ10g~20gを加える
これだけで、本格的な抹茶かき氷が楽しめます。
東京都茶協同組合のお茶屋にも抹茶、グリーンティーの取り扱いがあるお店がたくさんあります。是非お近くのお店を覗いてみて下さいね!
↓東京都茶協同組合認定店の検索はこちらから↓
https://www.tokyo-cha.or.jp/shop/index.html
おわりに
抹茶は点てて味わうだけでなく、季節の甘味としても楽しめる万能選手。
ぜひ、日々のティータイムに抹茶蜜のかき氷も取り入れてみてくださいね。