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ご挨拶

理事長・君野信太郎

 お茶は昔から「不老長寿の妙薬」として尊ばれて参りました。しかしお茶が多くの効用を持つことから時代やその時にあって用いられ方も変遷してまいりました。中国における神話の時代には漢方の祖と言われる神農が多くの薬草を試す中で毒薬にあたった時の解毒薬として用いたと言われ、またわが国では平安時代、僧の修行中睡魔に襲われる為、修行の助けとして振舞われたとあります。平安、鎌倉時代には薬としても用いられ、その後、南北朝、室町時代に至って武士の間で本茶、非茶を飲み分ける「闘茶」が大流行します。一方禅の思想と相まって千利休によって日本独自の詫び茶という文化が確立します。そして江戸時代には煎茶が生み出され、庶民の中で楽しまれるとともに日本の生活習慣に欠かせないものとなりました。

 「喫茶去」という言葉があります。「お茶を飲んでいきませんか」という意味ですが、何処へ行ってもお茶が飲め、人が来たらお茶を出す。日本には日常生活の中でお茶が人と人を結びつける伝統的な文化があります。「日常茶飯事」「朝茶はその日の難逃れ」「朝茶は七里帰っても飲め」など多くの諺にもあるように日本茶は日本の生活習慣や精神文化と密接に結びついています。現在、当組合では小学校5年生中心にお茶の淹れ方、飲み方など日本茶教室を日本茶インストラクターの協力を得て出張授業など教育における啓蒙活動に力を入れて行っております。「おもてなしの心」や「人に対する思いやり」は日本人の精神文化の根幹をなすものです。お茶がこの礎をなすものであるとすれば「日本茶の心」は日本文化そのものと言えます。また現在では、日本茶の薬効、効能効果は日本の食生活の栄養、効能と共に世界から注目を浴びており、日本のみならず世界に向けて「日本茶の心」が広がっております。

 当組合は「新茶まつり」「ぬき買い審査」「東京都優良茶品評会」「秋のお茶まつり」また青年団事業として「茶歌舞伎」(茶審査技術競技会)等の事業(ホームページよりご参照下さい。)を行い、組合加盟店を通じて、よりおいしいお茶を多くの皆様に楽しんでいただけるよう努めております。また小学校等で日本茶教室を行い次世代に対しても日本茶文化を継承していくよう広く活動を行っております。

 今後とも相変わりませず、「東京都茶協同組合加盟店」の御指名、御愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

東京都茶協同組合
理事長 君野信太郎